ども、ぱわぶくです。
先日、iTunesから「サイド・バイ・サイド:フィルムからデジタルシネマへ」を購入しました。
キアヌ・リーブスさんがナビゲーターで、映画監督、撮影監督などに、映画制作がフィルムからデジタルに移行している現状をどう感じているかをインタビューしているドキュメンタリー映画です。
以下、感想と若干 内容に触れます。
まず、監督と撮影監督に、フィルム撮影からデジタル撮影の移行をどう感じているかを聞いています。特に撮影したフィルム(ラッシュ)が翌日にならないと確認できなかった点とその場で全員がモニターを確認できる点がポイントになっています。
ただ、必ずしもすぐに確認出来る事が良い訳では無いという意見もあり、考えさせられます。
次に編集です。フィルム編集とは、実際にフィルムを切って貼り付ける作業でしたが、デジタル編集(AVID)の登場で様変わりしました。このタイミングでフィルムからデジタルデータに「デジタイズ」されますが、「つなぎ」のデジタル化だけでなく、次のSFX、CGIと呼ばれる視覚効果が飛躍的に発展することになります。
そして編集・SFXだけでなく色の補正、カラーグレーディングもデジタル化によって表現力が上がります。
次にメインとも言えるデジタル・シネマカメラの章に入ります。REDやARRIの登場です。4Kや3Dの必要性も後押ししました。一方で一眼レフによる動画撮影によって、誰でも映画制作を行えるようになりました。歓迎する意見もありますが、映画の質の低下を懸念する意見もあります。
最後の章は、再生環境と保存です。全国の劇場に上映用フィルムを何千本もコピーして届ける代わりにデジタルデータをHDDで届けたり、今ではインターネットや衛星通信経由での配信も可能です。それ以外にも再生環境が飛躍的に増えました。テレビ、PC、タブレット、携帯などです。人々は様々な画面で映画(映像)を見ます。現に私はこの「サイド・バイ・サイド」を地下鉄の中でiPadで見ました(笑)
HDDの保存を心配する声もあります。HDDは長期保存には向きませんからね。
私も職業が(元)ビデオ・エディターですが、1インチデッキ(オープンリール)のアナログリニア編集からスタートしました。BVH-2000の頃です。その前の2インチVTRの頃は(フィルムと同じように)ビデオテープを切って貼って編集していたようです。恐ろしいですね(笑) だって、磁気記録された黒いテープを切ってつなぐんですよ。
リニア時代も長いのですが、HENRY、Fire、Smokeとペンタブレットの時代も長いです。
アナログの頃は「つなぎ」のセンス以外にも信号管理なども重要な仕事でした。(今では死語になっている)TBCやサブキャリ、カラーフレームに注意して編集していましたね。VTRがデジタル化、そしてノンリニア化した事で、あまり気にしなくて良くなりました。
リニア編集の頃は、いかに早く紙のEDLを打ち込むかが勝負だったり、(画質を気にして)やりくりをせずに、どれだけ一回で合成するかがポイントだったりしました。
昔、「フィルム効果」とか「F効果」と呼んでいたエフェクトがあります。今では何のことはない ただのデインターレース(F2を捨ててF1だけで構成)なんですが、ビデオの生っぽさが消えたのでPVやライブビデオでは多様していました。フィルム(映画)に対する憧れが強かったんですよね。ビデオ業界は。
そんな移行期間をエディターとして経験していますので、この「サイド・バイ・サイド」かなり心に残りました。
劇中にこんな言葉がありました。
「20歳の人たちはおそらく、映画館の衰退を悲しまない。ネットで感想を語るほうが大事なんだ」
むう、サイド・バイ・サイド」を買って、iPadで見て、感想をブログにアップしてる奴がいる・・・。
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